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ゆめちょ物語

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 同世代の仲間とチョコレートに挑む

この事業に参加したのは、事業の中心メンバーである、ラ・バルカグループ代表の夏目さんから声をかけてもらったからです。夏目さんとの出会いは5~6年前のイベントでした。そのときは10人くらいがそれぞれの手掛けている事業についてプレゼンテーションをしたんですが、夏目さんだけ、周りと全然考え方とか、視点とかが違ってて。「障害のある当事者の幸せ」という1点のみを、すごく考えている方なんですよね。同世代の人でそんなすごい人がいるっていうのが衝撃的で、なんでこの人知らんかったんやろう、と。ただ、当時僕らは俺らは俺らでやるからさ、みたいに尖りきっていたので、一緒に何かやるという流れにはならなかったんです。でも僕はずっと夏目さんの活動は気になっていて注目していたところに、今回のショコラティエ事業の話を頂きました。

詳しい話を聞いて考えれば考えるほど、この場所にチョコレートの事業がフィットするなあ、むしろチョコレートしかない!と。そもそも、チョコレートを事業としてやること自体、すごく難しいことなんですよ。まず、いい原材料が手に入らない。例えばオーガニックのチョコレートも、この業界で年商何億というリーダーカンパニーでも手に入らないし、もし手に入っても、当然価格が高い。有名パティシエとかじゃないと、街のお店レベルで仕入れられる材料は、やっぱりたかが知れてるんです。だから今回、野口ショコラティエと一緒にやれて、本物の原材料を仕入れることができるのは非常に大きいです。

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野口ショコラティエによる研修を受け、トレーニングを重ねるクルーたち。

それに、今までの食材と比べてもチョコレートのポテンシャルはすごく高くて、たとえば地元で昔から売っているあられとか、地域の素材とも組み合わせやすく、広がりがあるのが大きな違いですね。ほかのお菓子の素材は、いくら工夫しても〇〇味にしかならない。チョコレートはそれにとどまらないで、一つひとつの組み合わせがちゃんと商品として確立されるんです。

今日はうちのクルー(働いている障害者スタッフのこと)が野口さんの研修を受けていたんですが、チョコレート屋さんになれる、一流の職人さんから教えてもらえると、見ている僕らは涙が出るくらい嬉しそうな顔をしていました。

 

「美味しい」から始まれば見方が変わる

堀川商店街のこの店舗経営は、実は京都府の住宅供給公社が進めている「堀川団地再生まちづくり」という街の活性化プロジェクトの一環でもあるんです。この団地は戦後すぐに建てられたもので、立て直すかどうかの議論の末、コミュニティ活性化を目的としたリノベーションが決まりました。それで街に何があったら、みんなが住みやすく来やすい場所になるだろうと考えたときに、「普通の街のお菓子屋さんみたいなのがないよね」という話になって。

この辺りは、僕が通っていた小学校の学区で、すごい地元なんです(笑)。京都って、中心部以外は中途半端な田舎で、大きな商業施設があるわけでも、山があったり大きな公園があるわけでもない。だから商店街の中にお菓子屋さんがあったら、子どもから大人まで楽しめる場所になっていいなと思ったんです。

この店がオープンして、いろんな人が来てくれて、ここで障害のある人たちが働いていると後から知ってもらったときに、障害者という前提から入るのとは絶対違うイメージになるはずです。「障害者がチョコレート屋を出した」ではなく、「美味しいチョコレート屋ができて、実は障害者の人たちが働いている」と入り口が変わることで、プラスのイメージになる。たぶん障害者として、ということを超えて語られる存在になると思うんです。障害者という言葉にはどうしてもマイナスのイメージが付いてしまっているので、下手をしたら、「かわいそうな人たちが作ってるから買ってあげようと思ったのに高い」なんて言われたりもするかもしれない。でもそれが、美味しい、から始まったら全然違う結果になると思います。


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