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ゆめちょ物語

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先生と一緒に、現場で闘える人材の必要性

いじめはパワーゲームですから、現場の先生たちの対応を変えるのが一番効果的です。いじめをなくす最も有効なアプローチは、「加害者」と「場」への対策です。加害者にいじめをやめさせるには、どうすればいいか? クラスや学校を、いじめが起きない場にするにはどうすればいいか? この2つです。

段階で見ると、「予防」「初期消火」「ケース対処」。また対象者別に、「被害者の救出とケア」「加害者の更生」「傍観者の教育」「社会意識の変革」も必要です。いじめが大きくなってからでは対応は難しくなりますから、「予防」と「初期消火」がとくに重要です。子どもって、小さいことから試していくんです。初めはちょっと相手を蹴ったりしてみて、先生が「これくらいは注意するほどじゃないかな」と何も言わないと、だんだんエスカレートしていきます。

ユースガーディアン阿部さんの“イジメGメン”のように、いじめ問題に被害者側から緊急介入する方向性と同時に、先生へのサポートも取り組みたいですね。一人の被害者を救ったとしても、加害者がターゲットを変えて他の人を狙ったのでは、いじめはエンドレスですから。

先生たちは通常の業務に追われ、生徒にじっくり向き合う余裕がないことも課題です。NHKのいじめ特集番組で紹介されていたのですが、会議や書類などを減らしたら、生徒との接点が増えて、いじめが減ったという事例もあるんですよ。また、いじめにどう取り組めばいいかに悩む先生もいらっしゃるでしょう。そこですごく必要だと思うのは、先生たちをサポートすることです。

たとえば、いじめを解決した先生を講師として勉強会を開催するなど、具体的なノウハウを伝える講座の提供。場合によっては、実際に学校の現場にも入って協力できたら、と思います。そうすることで学校が開かれた場になり、いじめが起きにくくなる効果もあるでしょう。

今は外部の人間が学校内で活動すること自体が難しく、困っている先生にリーチできないのが残念です。学校が認定する第三者機関を作り、先生とタッグを組んでサポートできればと、もどかしい思いです。

 

経験者だからわかる、効果的な対策やケアを伝えたい

私は自分の当事者経験を活かして、いじめ問題に継続して取り組んできました。その中で、私自身のPTSDの経験が大きく役立っています。さらに元々ライターだった力を活かし、娘の快復のためにむさぼるように資料を集め、快復法を探しました。

心の傷に特化したカラダを動かすワークは、演劇(インプロ)を活用したもので、従来のトラウマ治療の再体験リスクをなくした、健康的な快復法です。また、いじめ被害にあったお子さんの保護者向け心の傷(PTSD)ケア講座などでは、実際に即した対処法が喜ばれています。

有志メンバーによる企画で開催した、保護者向け心の傷(PTSD)ケア講座の様子。

有志メンバーによる企画で開催した、保護者向け心の傷(PTSD)ケア講座の様子。

たとえばPTSDの症状は時差があって、怒りや悲しみがすぐには表には出ません。潜伏期間が終わって症状が出るのは、防御の必要がなくなってからです。保護者の方は、後からお子さんの症状が出るととまどってしまうんですね。そこで「症状が出るのは、いま安全を感じているからなんですよ」とお伝えしています。すると、「そうなんだ。良い面もあるんですね」と知って、ほっとした表情をされます。「安全になったから症状が出た」「溜め込んだ苦しみを吐き出している」ということなんです。

一方で、いじめ加害者については、有効な更生プログラムが必要だと考えています。加害者は「加害中毒・依存」で、大人になっても社会のあらゆる集団の中でいじめを繰り返してしまいます。依存は、タバコや薬物や万引きもそうですが、一度その快感がセットされてしまうとなかなか引き離せません。DV(ドメスティックバイオレンス)の加害者更生プログラムが一番近いと思うので、そうしたプログラムを持っている団体などと連携して、ぜひ取り組んでいきたい部分です。

いじめをなくすために何が必要か、いじめ被害者のケア。自分の持っているものを全部使って、いじめで悩む子どもや心の傷に苦しむ人に、できることは何でもしたい、そう思っています。

NPO法人ビッグイシュー基金による2014年の調査では、年収200万円未満の若者(20〜39歳)には、「いじめ」を経験した人が34.2%と突出していて、「不登校・ひきこもり」の経験者も22.5%でした。生活保護が年々増えていることにも、いじめで生きる力を奪われた人が含まれるでしょう。

いじめ被害は、犯罪被害です。対人恐怖で廃人のようになって、自宅でひっそりと生きていく。そんなことでいいでしょうか。これは被害者だけの問題ではなく、社会全体の問題。いじめをなくしていくことは、子どもたちと未来を守ることなんですね。子どもたちが健やかに育ち、輝かしい笑顔を取り戻すために、未来を明るくするために、私たちにできることがあるはずです。ぜひみなさんの応援を求めています。


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