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ゆめちょ物語

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子どもに将来を諦めさせないために

そうした点からも、今回「夢の貯金箱」のプロジェクトで、資金的な支援と、人的な支援を同時に行うという点に期待を寄せています。現状では、施設職員も多忙で精神的な余裕もあまりないですから、たとえば子どもの進路相談や給付制奨学金なども人によって情報格差がありますし、十分に対応できていない施設もあります。そこに職員以外の、ケアワーカーなどの専門スタッフが入ることによって子どもたちに奨学金などの正しい情報が伝わり、職員自身も最新の情報を入手することができる。さらに、知識や経験のあるスタッフに奨学金の申請書を一緒に書いてもらったり、将来の相談にのってもらうなど、施設職員が十分に対応できない部分について、長い目で伴走してもらうことが大きな助けになります。

もちろん資金的な面でも、今回のような奨学金は貴重な事例になると思います。そもそも、子どもたちは18歳で児童養護施設や里親を離れなければなりませんが、その際に国からの支援としてもらえる支度金は約8万円(※3)です。しかし、その金額では住むところもないのにどうにもなりません。進学せず就職するにしても、職業も限定されてきます。生活費を抑えるために寮や住み込みで勤務可能な職場となると、建設業や飲食業など、不安定で厳しい業界で働くことになるため、結局数ヶ月ももたず転々とし、都市部の場合はネットカフェ難民やホームレスになってしまうなど、悪循環を繰り返すことになります。

既存の奨学金にしても、もらえているのはとくに優秀な一握りの子どもだけです。奨学金に応募して落ちてしまったり、大学を受験する意欲すら奪われていたり、諦めてしまっている子どもたちが大勢います。夢の貯金箱のミッションにもあるように、最初から進学を諦めて就職している子どもや中学卒で施設を出たあとに高卒資格を取りたいと思っている子ども、そういう今は日の当たっていない子どもたちにとって“セカンドチャンス”となるようなプロジェクトになってほしいと願っています。また、同じ経験を持っている人が施設職員になる方がいいという考え方もあってか、現状では福祉系の学部に進学することなどを条件にして使途を限定している奨学金が多いのも気がかりです。確かにそれも重要ですが、私は狭い世界で育ってきた子どもをその環境にとどめてしまうのではなく、子どもが幅広い職業を選択できるような支援を期待しています。

民間にできるのは、先駆的な取り組みをとおして実績を作り、政策に反映させるという運動的な側面とともに、子ども・親と施設職員などケアの担い手の権利を一体的に保障しながら貧困の再生産を防いでいくことではないかと考えます。それによって、将来に目を向けられる、将来の夢を持てる子どもを増やしていくことができたらと思っています。

 ※3 平成25年度の就職支度費・大学進学等自立生活支度費は79,000円。親の経済的援助がまったく見込まれない場合は加算されることになっている。厚生労働省「社会的養護の現状について(参考資料)」

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/syakaiteki_yougo/dl/yougo_genjou_01.pdf


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