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ゆめちょ物語

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いち早くニーズを届ける先遣隊の必要性

――― では1つ目の事業についてですが、外から支援に駆けつけたときの仕組み、というのをもう少し具体的にお聞きしたいのですが。例えば、南海トラフまでの規模でなくても、昨年も島根県や京都で起きた大きな水害のようなときに、今後、どういう仕組みができることを描いていらっしゃいますか。

人を派遣する仕組みからお話すると、2013年度には水害、台風、あるいは竜巻、大雪とか、いろんな規模、種類の災害によって60数か所の災害ボランティアセンターが設置されました。災害が起きて、現地で募集したボランティアや外から駆けつける人たちをとり回すのが、この災害ボランティアセンターといわれるところです。法律で定められているわけではないんですが、今はこのセンターを地元の社会福祉協議会が立ち上げることになっています。

ただ、災害ボランティアセンターが立ち上がらないときは誰を頼りに、どこに行けばいいんだろう、というのが一つ大きな問題で、その場合は地元の社会福祉協議会などと情報を共有しながら人を派遣することが求められます。この仕組みを成り立たせるのに今不足しているのが、例えばバスを企画してボランティアの人たちを連れて行ったり、現地ボランティアセンターを民間で開いてニーズのあるところに人を配置したり、といったコーディネーター的な人材なんです。

これに対して我々が今回のプロジェクトで考えているのは、まず災害が起きて一番最初に駆けつける「先遣隊」を送りこむこと、そしてその先遣隊が聞き取ってきた現地のニーズに対して、どれぐらいの人数が必要で、このぐらいの期間ボランティアを送らなければいけないということを決めたりする、コーディネーターとしての人材を育てようということです。この先遣隊とコーディネーターを3年間で100人養成し、併せて現場でボランティアの集団を組織的に機能させるための現場リーダーについても、3年間で、これは挑戦になりますが、300ないしは500ぐらいまでは育てていきたいですね。このぐらいの人数がいると、今予想されている災害が起こったときに派遣すべきある程度の人材をまかなうことができると考えています。

 ――― 先遣隊は、具体的に現地に行ってどんなことをするといいんですか。

higuchi-1これは、今は職人技と言われてしまっている部分なんですが、逆に今回のプロジェクトによって標準化をしたいと思っています。何を標準化するかというと、何でもかんでも駆けつけるのではなく、過去の災害時の例から、地元の自助努力ではどうしようもない基準というのがある程度わかってきていますので、災害発生時はまずそれを頭に入れたうえで現地のヒアリングをしてもらいます。

また、現地ではどこにニーズが集まるのか、どことコミュニケーションをしたらいいのかをわかっていることが必要です。先ほどお話したように、社会福祉協議会が災害ボランティアセンターを立ち上げることになっていますが、仮に立ち上がっていなくても、まずは社会福祉協議会や市の災害対策本部に行くのが基本になります。

さらに、細かくなっていきますが、既にいくつかのボランティア団体、NGO、NPO団体が現地入りしているケースがあります。そういった団体が情報を持っている場合もあるので、そこともコミュニケーションをする能力が求められると思います。

 

リーダーを育成し、市民との橋渡し役に

――― 今のと少し重なる質問かもしれませんが、職人技をもう少し標準化していきたい、とはいえ、先遣隊になる人というのはどういう人なのでしょう。つまり、例えばこの会場にいらっしゃる皆さんが誰でも先遣隊になれるわけではないですよね。

属性からすると、「災害が起きたらいつでも行ける人」というのが単純には求められてしまいます。そういう意味では大きな傾向としては、サラリーマンであると難しいんですね。ではNPO、NGOはどうかと言えば、ここも平時から災害支援のための活動を行っているか、予算を持っているかというと実はそうともかぎらないので、まちづくりを行っている団体や防災の訓練を行っている団体などの方々が、やはり向いてくるのかなと思います。

――― なるほど。災害関連のNPO、NGO団体は、阪神淡路大震災以後、日本でも確実に増えてはいるんですよね。

増えている実感は少しありますが、災害支援専門の団体で、日本国内を対象にしている団体はあまり多くはないと認識しています。頭に「災害」とか「防災」とか付いている団体でも、ここを担っているのは、実はもともと地域で中間支援のNPOセンターやボランティアセンターをしている人たちであることも多いんです。災害時に業務を切りかえて、同じようにボランティアを募集しているんですね。

――― そうした地域で活動しているNPOの人たちが、いざ災害のときには現地の状況を把握できて、こういうサポートが必要なんだと外部に発信できる、それを聞いた外部の地域の人たちは、それに応えて現地に支援を送ることができる。そうなれば、報道などを見て応援したい、支援したいと思っている一般の市民の人たちとの橋渡しもできるということですね。

そうですね。我々のこのプロジェクトで考えているのは、先遣隊あるいはコーディネーター、そして現場のボランティアが例えば10人とか100人とかいたときに、システムとして動かせるような現場のリーダー的な人材を育てることです。それによって、災害支援の経験やボランティアの経験が一回もなくても、この募集要項にのっとって参加してみたら現場の役に立つ活動ができた、という経験が、おそらく皆さんにご提供できるようになっていく。それが理想ではないかなと思っています。


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