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ゆめちょ物語

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――― また、会場の皆さんからは、外から派遣されるボランティアリーダーが、果たして地元の人たちとうまくやれるんでしょうかというご心配の質問もいただいたんですが。

はい。それは今までも課題として挙げられているところです。いろいろなリーダートレーニングの資格をその個人が持っていても、現地に入ったら、「あなたに本当に何ができるんだ」となるわけですね。そうならないために平時から、現地の地元の社会福祉協議会のようなボランティアの受入れ窓口と、こんな基準でこういう人材を育てていますという情報を共有しながらのネットワークづくりが必要だと思っています。

――― 職人芸の標準化という部分は、もう手順化やマニュアル化のようなところまで進んでいるんでしょうか。

今までは限られた団体、あるいは人材の中で行われてきたことでしたが、それをこの1年で、まず知見の共有と棚卸しをしていきたいと思います。これまでのメンバーだけでなく、社会福祉協議会の関係者、災害現場に精通している自治体の職員の方などにも委員会に入ってもらい、多角的な観点で見ていただいて、最低限の基準、あるいは理想の形というのを作っていきたいと思っています。これは来年度以降にどんどん展開していくつもりです。

 

避難所訓練から「被災者支援拠点訓練」へ

――― 次に、2つ目の事業、避難所運営についてですが、これは現状では避難所というものが避難所にいる人だけのための施設になってしまっていると。そうではなくて、樋口さんの言葉では「被災者の支援拠点」にする、というのはどういうことなんでしょう。また、よく避難訓練と言いますが、避難訓練ではなくて避難所運営訓練を行う、その違いを教えてください。

はい。我々日本財団の中では、今、避難所という言い方をしないで、被災者支援拠点という表現を普及していきたいと思っています。その違いとして、これまでの避難所は、まず逃げ込む場所という意味でした。そして、そこをボランティアで運営をしていこうとすると普通はその取り回しだけで精いっぱいになってしまいますが、実際には優先的にケアをしなければいけない、例えばお年寄り、妊産婦さん、障害のある方、赤ちゃんなど特別なニーズを持った人たちへの支援が必要になってきます。彼らにいち早く必要な支援が届くように、あるいは避難所に足りないリソースがあれば、外部にその支援を求めるといった目線を持つことが一つ挙げられます。

避難所の中で亡くなられる方の比率は阪神淡路大震災の頃から変わっていなくて、一般的に災害が起きたときに障害を持つ方の死亡率は、健常者の2倍とも言われています。特に避難所では、そうした方々に、それは避難所の中にいない人たちも含めて、地域の中で包括的に支援できるようにしたいと考えているんです。

また、避難所にはやはり支援が集まりやすいんですね。例えば食料のほかに、携帯電話の充電器などいろんな設備がそこに集中します。でも、在宅被災者にはその情報すら入らないことがあるので、そうした情報も含めて被災者支援拠点から発信していくことが求められると思います。

 

「想定外」を想定するロールプレイング

――― 確かに今、避難所となると対応がひとまとめになってしまって、細かいニーズまでケアできない状況がありそうですね。それはそういう細かいニーズがあることが、変な話、想定されていないということなんでしょうか。

そうですね。今行われている避難所訓練はどうしても、何人来るから食べ物は何個必要で、といったことがあらかじめ準備されている想定内の避難所訓練が多いようです。

それをあえて想定外の状況を用意して訓練しようというのが、今日本財団で「つぎプロ」と称して進めているプロジェクトです。このビルの、今皆さんがいらっしゃるこの場所や、港区の小学校を使った1泊2日の避難所運営訓練を、既に昨年から調査研究で行ってきました。この訓練では参加者に役割カードが配られていて、自分が実は障害を抱えていたり、途中で、家族がいて戻らなきゃいけなくなったりなど、それぞれ異なる状況が与えられます。そのとき例えば自分は避難所で何かの役割を負っているんだけれども、この役割を誰に引き継いだらいいんだろうとか、そうしたロールプレイングを含めてこの訓練の中では行っているんです。

――― なるほど。カードにはほかにどんなことが書かれているんですか。

自分はそうでなくても、カードには例えば30代で妊婦であるとか、あるいは何らかの病気を抱えているとか、アルコールがだいぶお好きだとか(笑)、そういうことが書いてあったりします。その役割に徹してもらうんですが、周りのほかの人たちはそれを知らない状況でのロールプレイングで、名簿を作らなきゃとか、誰に役割を振らなければいけない、食べ物が足りない、といったことを体験してもらうと。

――― 中には、急にけんかを始めちゃうとか、そういうのも書かれているわけですね。

そういうケースもあっていいですね。


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