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ゆめちょ物語

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障害者就労の世界を変える素材との出会い

――― 今回のミッションは、その障害者工賃アップがベースの話ですよね。作業所や障害者就労支援施設の工賃を上げよう、というのは、かなり昔から言われていることではありますが、その中で、今回なぜショコラティエなのか、についてお話いただけますか。

はい。今、お配りしているチョコレートは、アメリカのチョコレートブランドが7店舗ぐらい日本で展開をしていて、そこで出している商品です。7種類のドライフルーツに、日本初のコロンビア産のチョコレートをディップしてあり、15粒1,500円で表参道はじめ全国各店で販売しています。

――― それと夏目さんとはどういう関係があるんですか。

そのブランドからOEMで商品づくりを受注しています。僕らは野口和男ショコラティエと一緒に1年半ぐらい前から事業をスタートしていて、これ実は、障害を持ったメンバーがつくっているんです。

日本では製菓学校でチョコレートのことを教えるのは2年のうちでわずか2時間ぐらいなので、日本にショコラティエというのは本当にいないんですね。

――― パティシエはいても、ショコラティエはいない。

そうです。欧米などのチョコレート文化のある国では、ショコラティエはパティシエの中でも別格の称号が与えられていて、カカオのとれる南米などの国へ行ってショコラティエと言うと、おおっとなるほどなんですが、日本ではまだまだなんですね。でも長くOEM専門でやってきた野口ショコラティエには海外や有名ブランドからもオーダーが来て、今お配りしたのも、彼が材料の調達からすべてルセットを組んでつくった商品の一つです。

――― 一応念のためですが、OEMというのは、他社ブランドの商品を黒子的に、裏方として作るような製造のことで、「ルセット」というのは?

レシピ、ですね。一般的に食べられているチョコレートはいわゆる「工業用の準チョコレート」が使われていて、なめらかにしたり、固めたり、消費流通ができるようにするために、油がたくさん入っているんです。そうした添加物を入れると、何の手作業もなくても、なめらかで艶のあるチョコレートができますが、僕らはそうした不純物は一切入れずにピュアチョコレート、純粋なチョコレートを使います。そのためには手作業が必要で、チョコレートの本質とくせを知って、温度を管理しながら手でかき混ぜてあげる、ここに価値があるんです。それと、先ほどお配りしたものにはドライフルーツに半分チョコが付いていますが、まるごとコーティングするのは機械でできても、素材を半分見せるというところに価値があって、それは手作業でしかできない。だから、1粒100円で売れるんです。

さっき、なぜ今回ショコラティエ、チョコレートなのか、と言われましたよね。僕は10年、いろんな就労事業をつくってきましたが、障害を持った人と一緒にこれで生きていこう、チョコレートが彼らの世界を変えていく、と初めて本当に思ったんです。

 

チョコレートは、人に時間を合わせてくれる

――― 例えばクッキーなどは障害者の方が作る商品でよくある食材だと思いますが、それと比べても、チョコレートは非常に特徴があるものなんでしょうか。

はい。世界の食材の中で、自由なシルエットができるのがあめとチョコレートだけなんですよね。手作業でしっかり仕上げたチョコレートを、付ける、型に流すだけで、本当にあとは発想次第で自由なものをつくることができます。そういった意味ではクッキーやパンなどとは違って、誰でもロマンの創出者になれるんです。

――― もう一つの特徴としては、純チョコレートはつくるのに手間暇がかかる、それが障害者の方の働き方に合っているということも言えますか。

そうですね。混ぜる作業自体は30分とか1時間ですが、基本的にチョコレートは、固まったら溶かす、溶け過ぎたら固めればよくて、僕もいろんな食材ビジネスをしてきた中で、初めて人に時間を合わせてくれるものに出会ったんです。僕らは、目下、障害者ではなく働くママさんたちとチョコレートをつくっているんですが、企業で働くママさんたちでも、その作業スピードや生活スタイルにチョコレートが合わせてくれる。障害者の方も障害の種類、重度の違いなどいろんな方がいらっしゃいますが、障害が重くても携われるというところが、僕が今回チョコレートに決めた理由でもあります。 


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