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ゆめちょ物語

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有名ショコラティエとのコラボが実現

――― なるほど。それで今回はそのチョコレートの事業で、障害者の方の工賃を上げるというミッションに取り組むわけですが、プロジェクトの全体像をお願いできますか。

野口のようにOEM専門のショコラティエはほとんどいないので、いろんな仕事が彼のところに集まってくるんですね。食品業界だけではなく、最近ではアパレルや宝飾業界、飲料、サービス業、ブライダルやホテル業界なども、ギフト商品などをつくっていますから。今は本当にやり切れないから断っている仕事を、今回の事業でやっていこうと。

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まず東京にセンターラボとして厨房や工房のある施設をつくり、5年くらいの中で東京のほか大阪、中部などに核となるようなチョコレートラボをつくる計画です。その下に、全国の福祉事業所、まず今年度は、東北、関西、新潟などの3カ所から5カ所ぐらいの福祉作業所さんに支店として入っていただき、センターラボとブランチでOEMの仕事をシェアしていこうと考えています。

さらに、センターラボと全国の福祉事業所さんと一緒になって、自主ブランド事業の展開もしたいと思っています。日本のバレンタインマーケットは約2,000億ぐらいあって、バレンタイン前後の1カ月でそれだけ売るんですよ。その市場に障害者の方と一緒に入っていき、百貨店の祭典などにも出店し、真っ当に評価をされて、真っ当に稼いで、社会の障害とか福祉に対する見方を変えたいんです。

――― つまり障害者がつくる商品だから、ではない売り方なんですね。ただ、それでもやっぱり、障害のある方がつくったというような先入観を消費者の人は持つのではという質問も会場からあったんですが。そういう意味で、正当に評価されるというのはどう実現できるとお考えですか。

一つは、売り上げですね。日本には「サロン・デュ・ショコラ」「アムール・デュ・ショコラ」という2つの大きなバレンタインの祭典があり、ここでほとんどの売り上げが発生します。その中で、例えば一つの百貨店で300万から500万円売ったらブランドとして認められたと言えるんですが、リアルにそこを実現させていくことだと思っています。障害を隠すとか隠さないではなく、自然体でやっていく中で、ちゃんと売り上げとして評価が出ると思うんです。

――― だから、見せ方とか伝え方としては、障害者がつくったということを前面に出さないんですね。でも、外からの見え方が一般のチョコレートブランドと変わらないとすると、障害者の方がつくること以外の事業の独自性というと、どうでしょうか。

一緒にやるブランチが既存の福祉事業所さんなので、一般企業と比べてもコスト面でのメリットはあると思います。また、野口ショコラティエは世界中の何百種類というチョコレートをすべてブレンドして、独自のテイスト、アロマをつくり上げていきますので、そういった意味で商品そのものにも独自性があると思います。今まで野口は、一切、顔も名前も出してこなくて表に出るのは今回が初めてなので、一般の人は知らないと思いますが、業界の人は知る人ぞ知っている。つくり手の人たちの注目も集まると思います。

 

OEMから自主ブランド、原料づくりにも挑戦

――― もう来年のバレンタインを目指していらっしゃるんですか。

そうです。今年度バレンタインに向けては、障害を持った人たちが描いた絵などのアートをプリントしたショコラを、商品にしたいなと思っています。それから来年度以降になりますが、最終的にはBean to Bar(ビーン トゥ バー)といって、カカオ豆から焙煎させてチョコレートをつくるという事業を、センターラボとブランチでやっていきたいんです。今はカカオ豆がチョコレートになったチョコレートチップを原料として仕入れて商品をつくるのが普通なんですが、それを自分たちで一からやりたいと思っています。

――― なるほど。だから順番が重要なんですね。まずはOEMからスタートして、次に新しい自主ブランド、さらにその原料までさかのぼってつくるところまでチャレンジしたいと。

はい。また、菓子系事業をやっているような福祉施設さんを中心に、毎年20カ所ぐらいをピックアップして5年間で100施設ぐらい、チョコレートについての研修を行っていきたいと思っています。今ある厨房と設備をそのまま使えるし、チョコレートはどんな素材でも寄り添っていけるので、例えば今福祉作業所でつくっているクッキーにチョコをつけるだけで見た目や味、販路までも変わります。

昨年、野口と一緒に、お菓子をつくっている東北の事業所で実は少しやってみたんです。例えばポン菓子、地元のお米でつくられたおせんべいを砕いて、「ロッシェ」というチョコレートでつなぎ合わせたものをつくりました。ポン菓子は1枚20円で売られていたんですが、同じ1枚からできた10粒のロッシェが、850円でギフトショーで今流通していて、それもチョコレートの持つ力なんですよね。


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